定期的な健康診断で健康管理
「ガン」「心疾患」「脳血管疾患」これらは日本人の三大死因といわれています。これらの疾患は喫煙や飲酒をはじめとする生活習慣が深く関わっている「生活習慣病」として注目されています。健康診断は「生活習慣病」を防ぐのはもちろん、健康で質の高い生活を送るための手助けとなります。
ご自身の体を知って健康管理
ご自身の身長や体重、体脂肪率くらいは知っていても、血圧、尿酸値や血糖値に至るまで詳しく把握している人は少ないと思います。特に若くて病気知らずな人には、健康診断なんて無関係と思っていませんか?ところが、健康診断は具合の悪くなった人が受けるものではなく、今は健康な人でも将来かかる可能性のある病気がわかったり、気が付いていない病気の前兆をキャッチしたり、さらなる健康を維持していくために行う定期検診でもあるのです。
昨今増加傾向にある高齢男性の前立腺がんはPSA値の測定を多くの方が積極的に行うことになったため、ほとんどの人が初期の段階で発見されています。また、日本人が罹りやすいと言われているがんの一つ、胃がんにおいては早期発見で治療開始した場合には、5年生存率が9割を超えて治癒する病気です。健康で質の高い生活をいつまでも送れるように定期的に健康診断を受けましょう。
医師からのアドバイス
人間の体は加齢や生活様式の変化などに伴って様々な変化が起こります。歳だから体重が増加して当たり前、運動不足だから息切れするのも当たり前と思われがちですが、実際に数値を計測した時に病気を疑う数値であることもあります。血圧やコレステロール値などは目で見てわかるものではありません。また数値に問題があっても、それは遺伝的による体質的なものなのか、病気が疑われるものなのかの判断はさらなる検査をした上で、医師の診断に基づきます。
「メタボリックシンドローム(メタボ)」、「生活習慣病」という言葉は一般に浸透してきましたが、メタボリックシンドロームは糖尿病をはじめとする「生活習慣病」にかかる前の状態であり、健康診断でメタボ気味と指摘されたら、本格的に改善に取り組まないといけません。日本で糖尿病になっている人、または糖尿病予備軍と言われている人は2000万人もいるのです。
生活習慣病の疑いがある人は、日常生活における食事や運動の指導、場合によっては必要なお薬の服用など、医師と相談の上治療に取り組んでいくことが大切です。健康診断を定期的に受診していれば、以前のデータが参考になるためより具体的な状態を把握した上で治療を進めることができます。
経済的負担の軽減
お腹が激しく痛む、急激な体重減少があるなど、何かしらの症状があってから初めて病院で診てもらう人も少なくありません。その時の一時的な治療で回復すれば良いのですが、中にはそれらの症状がかなり病気が進行しているサインであったり、最悪手遅れの状態になっていることもあります。末期的な状態からの治療は、治癒までの時間も長く、高額医療が必要となってしまうものもあります。それを考えると、定期的に健康診断を受けていれば初期の症状から治療を始められるので、治療費もそれなりに抑えることができます。