
熱中症・脱水症
夏の暑い時期は、屋外だけでなく室内で過ごしているときにも、めまいやだるさ、大量の汗、頭痛、吐き気などの熱中症・脱水症の症状で受診される方がいらっしゃいます。岩国ひらた透析・内科・外科では、月曜日から土曜日まで内科の外来診療を行っています(15歳以上が対象・予約不要)。なお、意識がもうろうとする、自分で水分がとれない、けいれんがあるなど重症が疑われる場合は、ためらわず救急要請(119番)をしてください。
こんな症状はありませんか?
- めまい・失神(立ちくらみ)がある
- 筋肉痛・筋肉の硬直(手足やふくらはぎのこむら返り)
- 大量の発汗がある
- 頭痛・不快感・吐き気があり、気分が悪い
- 体がだるい、力が入らない(倦怠感・脱力感)
- 高体温、意識障害(意識がもうろうとする)がみられる
これらは、熱中症・脱水症のときに見られる様々な症状です。気温や湿度が高い環境で過ごした後にこうした症状が出たときは、熱中症のサインかもしれません。
めまい・失神・筋肉痛・筋肉の硬直・大量の発汗・頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感・意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温
熱中症とは、温度や湿度が高い中で、体内の水分や塩分(ナトリウム等)のバランスが崩れる、体内の体温調節機能が破綻するなどして発症する障害の総称であり、めまい、体のだるさ、ひどい場合にはけいれんや意識の異常など、様々な症状が見られ、死に至るおそれのある病態である。
熱中症・脱水症とは
熱中症は、暑い環境のもとで体温の調節がうまくいかなくなり、体に熱がこもることで起こる体調不良の総称です。汗をかくことで体内の水分や塩分(ナトリウムなど)が失われる「脱水」が深く関わっており、脱水症は熱中症の重要な原因・経過の一部です。
体温を平熱に保つために汗をかき、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)の減少や血液の流れが滞るなどして、体温が上昇して重要な臓器が高温にさらされたりすることにより発症する障害の総称です。高温環境下に長期間いたとき、あるいはいた後の体調不良はすべて熱中症の可能性があります。
このように私たちの体内で本来必要な重要臓器への血流が皮膚表面へ移動し、また大量に汗をかくことで体から水分や塩分(ナトリウムなど)が失われるなどの脱水状態に対して、体が適切に対処できなければ、筋肉のこむら返りや失神(いわゆる脳貧血:脳への血流が一時的に滞る現象)を起こします。そして、熱の産生と熱の放散とのバランスが崩れてしまえば、体温が急激に上昇します。このような状態が熱中症です(図1-1の下)。
熱中症の重症度(Ⅰ度・Ⅱ度・Ⅲ度)
熱中症は、症状の重さによって主に次のように分類されます(日本救急医学会の分類)。
- Ⅰ度(軽症):熱失神(立ちくらみ)、熱けいれん(筋肉のこむら返り)など。意識ははっきりしています。
- Ⅱ度(中等症):熱疲労。全身のだるさや脱力、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢などがみられます。
- Ⅲ度(重症):熱射病。高い体温に加え、意識障害や発汗の停止がみられます。
など
軽症である熱失神は「立ちくらみ」、同様に軽症に分類される熱けいれんは全身けいれんではなく「筋肉のこむら返り」です。どちらも意識は清明です。中等症に分類される熱疲労では、全身の倦怠感や脱力、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢等が見られます。最重症は熱射病と呼ばれ、高体温に加え意識障害と発汗停止が主な症状です。
受診の目安
熱中症の重症度を見分けるうえで大切なのは、意識がしっかりしているかどうかです。次のような場合は、ためらわず救急要請(119番)をしてください。
- 呼びかけへの反応がおかしい、意識がない
- 自分で水分・塩分をとれない、吐き気や嘔吐で飲めない
- けいれんがある、まっすぐ歩けない
- 涼しい場所で休んでも症状がよくならない
重症度を判定するときに重要な点は、意識がしっかりしているかどうかです。少しでも意識がおかしい場合には、Ⅱ度(中等症)以上と判断し病院への搬送が必要です。
Ⅰ度(軽症)の症状があれば、すぐに涼しい場所へ移し体を冷やすこと、水分を自分で飲んでもらうことが重要です。そして誰かがそばに付き添って見守り、意識がおかしい、自分で水分・塩分を摂れない、応急処置を施しても症状の改善が見られないときはⅡ度(中等症)と判断し、すぐに病院へ搬送します。
意識がない、全身のけいれんがある、自分で水が飲めない又は脱力感や倦怠感が強くて動けない場合には、ためらわず救急要請をする必要がある。
検査・治療(当クリニックの対応)
熱中症・脱水症では、まず涼しい場所で体を冷やし、水分と塩分を補給することが基本です。軽い症状であればこうした対応で回復しますが、自分で水分がとれないときや症状が強いときは、医療機関での点滴(輸液)が必要になります。
まず、涼しい場所に移し、衣服を緩め、水分と塩分を補給します。
大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンク等が最適です。食塩水(水1ℓに1〜2gの食塩)も有効です。
自力で水分の摂取ができないときは、塩分を含め点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処方法です。
当クリニックでの対応
- 当クリニックでは、月曜日から土曜日まで内科の外来診療を行っています(15歳以上が対象・予約不要)。
- 脱水に対しては、症状や状況に応じて点滴(輸液)で水分と塩分を補給します。
- 意識がはっきりしない、自分で水分がとれない、けいれんがあるなど重症が疑われる場合は、ためらわず救急要請を行い、必要に応じてより専門的な医療機関へご紹介します。
予防のために
- のどが渇く前から、こまめに水分を補給する
- 大量に汗をかいたときは、塩分(経口補水液・スポーツドリンク・食塩水)も補う
- 通気性のよい涼しい服装を心がけ、室内でも冷房や扇風機を使う
- 暑い時間帯の外出や運動を避け、こまめに休憩する
- アルコールは水分を補給するどころか脱水を招くため避ける
暑い日には、知らず知らずにじわじわと汗をかいていますので、身体の活動強度にかかわらずこまめに水分を補給しましょう。
また、人間は、軽い脱水状態のときにはのどの渇きを感じません。そこで、のどが渇く前、あるいは暑い場所に行く前から水分を補給しておくことが大切です。
室内でも、屋外でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を補給しましょう
通気性のよい、吸湿性・速乾性のある衣服を着用する
よくあるご質問
水とスポーツドリンクのどちらで水分補給すればよいですか?
ふだんはお茶や水でかまいませんが、大量に汗をかいたときは水分だけでなく塩分も失われます。環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、大量の発汗があった場合は、汗で失われた塩分も補える経口補水液やスポーツドリンク、食塩水(水1リットルに1〜2グラムの食塩)がよいとされています。
大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンク等が最適です。食塩水(水1ℓに1〜2gの食塩)も有効です。
どんなときに救急車を呼べばよいですか?
呼びかけへの反応がおかしい、意識がない、自分で水分・塩分をとれない、応急処置をしても症状がよくならないときは、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。環境省のマニュアルでも、少しでも意識がおかしい場合は中等症(Ⅱ度)以上と判断し、病院への搬送が必要としています。
重症度を判定するときに重要な点は、意識がしっかりしているかどうかです。少しでも意識がおかしい場合には、Ⅱ度(中等症)以上と判断し病院への搬送が必要です。
脱水症と熱中症は違うものですか?
熱中症は、汗で体内の水分や塩分が失われる脱水状態などに体がうまく対処できず、筋肉のこむら返りや失神を起こしたり、体温が急に上がったりした状態の総称です。脱水は熱中症の重要な原因・経過の一部で、のどが渇く前からのこまめな水分・塩分の補給が予防と回復の基本になります。
このように私たちの体内で本来必要な重要臓器への血流が皮膚表面へ移動し、また大量に汗をかくことで体から水分や塩分(ナトリウムなど)が失われるなどの脱水状態に対して、体が適切に対処できなければ、筋肉のこむら返りや失神(いわゆる脳貧血:脳への血流が一時的に滞る現象)を起こします。そして、熱の産生と熱の放散とのバランスが崩れてしまえば、体温が急激に上昇します。このような状態が熱中症です(図1-1の下)。

