
貧血(鉄欠乏性貧血)
立ちくらみやめまい、動悸・息切れ、疲れやすさ、顔色の悪さ――こうした症状が続くときは、貧血が隠れていることがあります。なかでも鉄欠乏性貧血は、月経や食生活などの影響で女性に多くみられる貧血です。貧血の背景に別の病気が隠れていることもあるため、気になる症状があるときは、早めに医療機関にご相談ください。
こんな症状はございませんか?
- 立ちくらみやめまいがする
- 動悸、息切れがする、階段や坂道で息が切れる
- 疲れやすい、体がだるい、気力の低下がある
- 顔面の蒼白(顔色が悪い・青白い)と言われる
- 爪の変形(さじ状爪)や割れやすさがある
- 頭痛や肌荒れ、むくみがある
貧血の症状は特徴がはっきりしないことも多く、見過ごされやすいため注意が必要です。貧血が進むと、日常の動作でも動悸、息切れを感じやすくなり、生活の質にも影響します。
貧血は,血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態を指す.その主たる症状は,組織の低酸素による倦怠感,めまい,頭痛,低酸素を代償する反応としての息切れ,動悸である.
貧血といえば、目まいや立ち眩みを思い浮かべますが、倦怠感や頭痛、気力の低下、肌荒れ、爪の変形、むくみなど、さまざまな不調の原因となります。仕事の効率が下がったり、怠けていると思われたり、働く女性にとってこんな影響は避けたいところです。
全身の倦怠感やめまい、耳鳴り、動悸、息切れなどの自覚症状、眼瞼結膜(がんけんけつまく=まぶたの裏側の粘膜)や顔面の蒼白などの他覚症状といった貧血の症状が現れます。
貧血(鉄欠乏性貧血)とは
貧血とは、血液中で酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが不足し、体が酸素不足の状態になることをいいます。ヘモグロビンは鉄を材料につくられるため、鉄が不足するとヘモグロビンを十分につくれず貧血が起こります。これが最も多い「鉄欠乏性貧血」です。このほか、赤血球をつくるのに必要な葉酸やビタミンB12の不足などで起こる貧血などもあります。体内の鉄はその多くがヘモグロビンをつくる材料として使われ、鉄が不足すると酸素を運ぶ力が下がって貧血が起こります。とりわけ鉄欠乏性貧血は、生理のある世代の女性に多くみられます。
血液中のヘモグロビンは、酸素を全身に送る働きをします。ヘモグロビンは鉄分によって構成されているので、体内の鉄分が不足するとヘモグロビンの量も減ってしまい、体内が酸欠状態になってしまいます。これが「貧血(鉄欠乏性)」です。
貧血を呈する疾患は多岐にわたるが,中でも鉄欠乏性貧血は最も頻度が高い貧血であり,生理がある女性の10~20%に認められる.
人体の構成に必須なミネラルの一種です。成人の体内には約3~4gの鉄が存在しています。そのうち約70%は、赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンの構成要素として存在します。残りの30%は、肝臓や骨髄などに貯蔵鉄として存在しています。全身の鉄は、身体から排出されることはなく、効率的に保存され、再利用されます。月経や成長に伴って、失われた鉄は腸管からの吸収で補われ、恒常性が保たれています。また、腸管からの鉄の吸収は、鉄の損失や必要性や食品中の鉄の状態(ヘム鉄と非ヘム鉄)によっても変化します。体内の鉄が不足し、貧血になると、体内の血液の循環が滞り、筋肉への酸素の供給量が減り、筋力低下や疲労感といった症状も起こります。
主な原因・誘因
- 月経・妊娠・授乳による鉄の必要量の増加(女性に多い)
- 胃や腸などからの消化管出血
- 食事の偏りなどによる鉄・栄養素の不足
- 葉酸・ビタミンB12など造血に必要な栄養素の不足
- 赤血球が壊れること(溶血)や、骨髄での造血の低下
女性では、月経に伴う性器出血に、食事からの鉄・栄養素の不足が加わりやすくなります。
貧血の発症機序は,鉄や葉酸・ビタミンB12といった栄養素の不足,溶血,出血といった赤血球の喪失,エリスロポエチンなどの造血因子の不足や骨髄不全や造血器腫瘍による赤血球造血の低下に大きく分けられる(図1).
鉄分の必要量は、月経・妊娠・授乳といったライフステージの変化に強く影響されます。月経ありの鉄分推奨量は月経なしの推奨量に比べ、約4mg多く必要となっています。
鉄不足の原因として、偏食や胃腸切除などによる吸収低下、月経などの性器出血や消化管出血による排泄増加、成長期や妊娠・授乳に伴う需要増加が挙げられます。
受診の目安
貧血はゆっくり進むことが多く、貧血の症状が出たときにはかなり進んでいることもあります。また、貧血の背景に、消化管出血などを起こす別の病気が隠れていることもあります。次のような場合は、お早めにご相談ください。
- 立ちくらみやめまい、動悸、息切れ、強い倦怠感が続いている
- 顔面の蒼白(顔色が悪い・青白い)を指摘された
- 健診で「貧血」「ヘモグロビンが低い」と指摘された
- 月経の出血量が多い、便が黒いなど消化管出血が疑われる
- 妊娠中・授乳中で疲れやすさやめまいが気になる
また、妊婦さんが貧血だと、低体重児出産や死産のリスクが増えるという報告もあるので、将来子供を産みたい女性にとっても貧血対策は重要です。
全身の倦怠感やめまい、耳鳴り、動悸、息切れなどの自覚症状、眼瞼結膜(がんけんけつまく=まぶたの裏側の粘膜)や顔面の蒼白などの他覚症状といった貧血の症状が現れます。
鉄不足の原因として、偏食や胃腸切除などによる吸収低下、月経などの性器出血や消化管出血による排泄増加、成長期や妊娠・授乳に伴う需要増加が挙げられます。
鉄欠乏性貧血は採血してヘモグロビン(Hb)の量で診断されます。
検査・治療
貧血は、血液検査でヘモグロビン(血色素)の値などを調べて診断します。鉄欠乏性貧血が疑われる場合は、体内の鉄の蓄えを示すフェリチンなどもあわせて確認されます。治療は、不足した鉄を補う鉄剤(内服など)が用いられ、あわせて出血などの原因となる病気があれば、その治療が行われます。経口の鉄剤による治療を始めると、多くの場合は貧血の改善が得られますが、吐き気などの消化器症状が出ることもあります。
フェリチンの測定により鉄欠乏性貧血が診断されます。鉄欠乏性貧血は月経のある女性に多くみられ、鉄分の多い食事をとるようにしましょう。関連する検査に赤血球、ヘマトクリットがあります。いずれも貧血に関係する検査ですが、貧血の基準はWHO(世界保健機構)により血色素(ヘモグロビン)で診断するとされており、赤血球、ヘマトクリットでは決定できないためこれらの判定区分は策定していません。
治療を必要とする鉄欠乏性貧血に対しては,経口鉄剤が用いられる.通常,鉄剤投与にて速やかに貧血の改善が認められるため,原則として鉄欠乏性貧血に対しては輸血の適応はない.経口鉄剤はしばしば吐き気や食欲不振などの消化器症状をもたらすため,そのような場合には静注鉄剤の使用を考慮する.
予防・食事のために
- 1日3食、バランスのよい食事を規則正しくとる
- レバーや赤身の肉・魚など、鉄を多く含む食品をとる
- 鉄の吸収を高める動物性たんぱく質やビタミンCを一緒にとる
- 無理なダイエットを避け、偏食や減食、欠食(朝食抜き)を控える
- 貧血の予防のため、健康診断を定期的に受ける
鉄には肉や魚に多いヘム鉄と、野菜などに多い非ヘム鉄があり、ヘム鉄のほうが体に取り込まれやすいとされています。
鉄はレバー、赤身の肉・魚、小松菜やほうれん草などに多く含まれます。鉄には、肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収がよく、ヘム鉄を利用することで非ヘム鉄の吸収もよくなります。また動物性たんぱく質やビタミンCを一緒に摂ると吸収しやすくなります。
鉄分には2種類ありますが、肉・魚などに含まれる「ヘム鉄」の吸収率は25%ほど、野菜・豆・穀物・海藻などに含まれる「非ヘム鉄」の吸収率は3~5%ほどです。
貧血の予防には食生活が重要になります。1日3食規則正しく食べて、偏食、減食、欠食を改善しましょう。
よくあるご質問
貧血にはどのような症状がありますか?
立ちくらみやめまい、頭痛、倦怠感、息切れ、動悸などがよくみられます。貧血の症状は特徴がはっきりしないことも多いため、気になるときはご相談ください。
貧血は,血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態を指す.その主たる症状は,組織の低酸素による倦怠感,めまい,頭痛,低酸素を代償する反応としての息切れ,動悸である.
貧血はどうやって調べますか?
貧血は血液検査で調べ、血色素(ヘモグロビン)の値で診断されます。鉄欠乏性貧血が疑われるときは、体内の鉄の蓄えを示すフェリチンなどもあわせて確認されます。
フェリチンの測定により鉄欠乏性貧血が診断されます。鉄欠乏性貧血は月経のある女性に多くみられ、鉄分の多い食事をとるようにしましょう。関連する検査に赤血球、ヘマトクリットがあります。いずれも貧血に関係する検査ですが、貧血の基準はWHO(世界保健機構)により血色素(ヘモグロビン)で診断するとされており、赤血球、ヘマトクリットでは決定できないためこれらの判定区分は策定していません。
貧血は食事で予防できますか?
バランスのよい食事を規則正しくとり、鉄を多く含む食品をとることが予防につながります。鉄の吸収を高める動物性たんぱく質やビタミンCを一緒にとるのもよいでしょう。
鉄はレバー、赤身の肉・魚、小松菜やほうれん草などに多く含まれます。鉄には、肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収がよく、ヘム鉄を利用することで非ヘム鉄の吸収もよくなります。また動物性たんぱく質やビタミンCを一緒に摂ると吸収しやすくなります。

